包んでいた人が、包まれる側になっていた
私は、人の役割を見るのが好きだ。
会議では、誰が話し、 誰が聞き、 誰がまとめるのか。
誰も決めていないのに、 いつも同じ役割になっている。
先日、地域を良くしたいと思うメンバー四人で、バーベキューをした。
いつも場をまとめている人が、
浮き輪を子どもに着けられながら、一緒にお絵描きをしていた。
まとめる側としての言葉は、一つも出てこなかった。
いつもは会議で黙って聞いている二人が、 その日はずっと話していた。
自分の地元の話、親子の話。
普段は求めても出てこない言葉が、 その日は勝手にあふれていた。
私は、肉を焼いていた。
いつもと同じ、聞く係だった。
翌日、片付けをしながら、ふと気づいた。
四人のうち、まとめる側にも、まとめられる側にも回らなかったのは、 自分だけだった。
観察していたつもりが、 自分も、観察される側の一人だった。
その日変わったのは、 話す人でも、聞く人でもなかった。
場を包んでいた人だった。
包む側と包まれる側は、 多いほうが包む。
そう思っていた。
でも、ある条件下だけで、 それは突然入れ替わる。
混ぜる世界では、こうした入れ替わる現象を、 転相と呼ぶ。
人は、変わったのだろうか。
それとも、場が変わっただけなのだろうか。
もし今、あなたがいつも場を包む側にいるなら。
顧客を支え、案件を回し、 誰よりも先に気を配る側にい続けているなら。
それは、あなたの性格でも、 あなたにしかできない役目でもないかもしれない。
役割は、気づいただけでは変わらない。
条件が変わって、初めて変わる。
人を変えるより、 場を変える方が、 早いこともあるのかもしれない。
あなたにとって、どんな条件で、転相が起こるだろうか。
